INFOMATION & GALLERY STOCK

2026/04/02 15:07

ハンス J. ウェグナーといえば「木の椅子」のイメージが強いが、1958年に発表されたこの「AP-40」は、彼のキャリアにおける極めてモダンで実験的な横顔を見せてくれる一脚だ。

コペンハーゲンのカストルップ空港(Kastrup Airport)のために設計された通称「エアポートチェア」。余計な装飾を削ぎ落としたブラッシュドスチールの脚部と、低く構えたシートが生み出す独特の「浮遊感」は、まさに当時のミッドセンチュリー期が描いた未来の姿そのものと言える。

座面と背もたれが一体となったミニマルなフォルムは、どの角度から眺めても建築的な美しさを湛えている。冷徹な印象のスチールを用いながらも、身体を優しく受け止めるウェグナーらしい確かな座り心地を実現している点は、流石という他ない。

リビングに置けば、そこは一変して空港のラウンジのような知的な緊張感と、確かな安らぎが同居する空間に。ウェグナーが辿り着いた「スチール家具」のひとつの完成形であり、現代のミニマルなインテリアにこそ相応しい知的なマスターピースだ。

design : Hans J. Wegner
design year : 1958s
maker : AP Stolen
material : brushed steel, black leather
price : ask